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院長のコラム 「前立腺」 10~11

院長の「前立腺について」のコラム 「前立腺 その(10)」

 前立腺内に留まる早期の前立腺癌の治療の第一選択となるのは手術療法です。
 前立腺癌の手術は根治的前立腺摘除術といわれ、前立腺(被膜を含めて切除)と左右の精嚢腺(精液の溜まる場所)を摘出し、膀胱と尿道を縫い合わせる手術になります。
 その到達方法によって何種類かの手術法がありますが、開放手術の代表的なものは、下腹部を切開し恥骨の後面より前立腺に到達する恥骨後式で、施設によっては会陰(股の間)を切開する会陰式もよく行われています。
 最近は切開創の小さい腹腔鏡下手術(数年前東京の方で問題を起こしてイメージが悪くなりましたが)も広く行われており、海外では、手術用ロボットを用いて遠隔操作で手術を行えるようになってきています。
それぞれの手術方法に長所と短所がありますが、いずれにせよ手術のポイントは、根治性を高め・出血量と手術後の合併症(尿失禁など)を少なくすることですので、執刀医の慣れた方法で行うことが重要でしょう。